愛されないと残れない。
京都で約70年にわたり、建築という仕事を続けてきました。だから、私たちは、この街をだれよりもよく知っています。京都は住んでいる方々との調和が大切な町。だから、住んでいる方々に受け入れていただくことが仕事の大前提。「ええ建物ですねえ」と、言われたい。それも、いろんな方から言われたい。そういう感覚を自然に表現できます。長く残ることは、良いまちなみをつくること。
愛されることで、京都という町に貢献しています。
代表取締役 副社長 田丸順之
クセが強いものだと、周りから見て気になります。慎ましく、目立たず。まずは第一印象に心を配ります。長くやっている会社なので、自然にそういう感覚が受け継がれています。相談役からは常に「先進的なオシャレは客観的に判断しなさい」と、言われ続けています。共用部や外観は一度建ててしまうと、イージーにいじったり変えたりできないものです。建築を通して町やひととコミュニケーションするために、“調和”ということを常に考えさせられています。物件の周りには町家や寺社仏閣も多くあります。庇一つとっても、見せ方で周りとの調和のバランスが変わります。問われるのは、それが判断できるセンスです。よく“温故知新”と言われますが、新しいことをするには、受け継がれてきた良いものを理解するようにならねばなりません。そして、センスを表現するにはできるだけ予算に縛られない。ケチらないことが大切ではないでしょうか。良いモノづくりをキチンとすることに尽きるということです。
設計は風景や風土に合わせるものだと思っています。当社が施工している田丸産業の「リソシエ」では、できるだけ天然素材を使っています。この町に住む方々から、客観的に見てオシャレでしかも周りと調和していると見ていただきたいからです。
この町に似合うようにマジメにちゃんとやっているから、大手のお客さまからお褒めいただいております。小さな京都の町では、噂はすぐに耳に入ります。お客さまからのクレームの少なさ、細かなミスを見逃さない検査の精度の高さは、ミスをいかに潰していくかという日ごろの努力の賜物だと自負しています。それは、京都で長くやっている会社としての、責任感の強さのあらわれです。
入社してくれた人材を大切に育てたい。それは、わが社の変わることのない信念です。社風に合うひとを採用し、その個性を活かすことを心がけています。若いひとは、分からないことを上司にどんどん聞いて、じぶんを磨き、会社にビシバシと刺激を与えてほしい。そんな空気がいつも社内に流れていれば、わが社にとっての“不易流行”になっていくのではないでしょうか。そんな若いひとたちが考え、つくる建物が長く愛されてやがて町並をつくり、いつの日か町家となる可能性だってありますからね。
小泉紀超/購買部
どのくらい京都のことを考えて仕事をしていくのか、ってことでしょうね。例えば、京都のパートナー会社と一緒に京都で建物をつくれたら、地域産木材の入手など、距離が近いことに伴うコスト的なメリットも出るのではないでしょうか。
京都府出身ですが、現在は大阪に住んでいます。そのためでしょうか、京都=観光地のイメージが徐々に芽生えてきました。他府県からの友人を京都へ案内することもありますが、そのときはじめて訪れるような場所もあり、その際必ず“京都”を感じます。
個人的には京都のイメージはいまのままであってほしいと願っています。まちは常に新しくなっていくものですが、いろんな新しい建物ができても、古き良き京都のイメージも無くなってほしくないですね。「京都は変わってしまったねー」と言われないように、素敵なまちなみを残したい。京都の伝統と厳しいルールを守りつつ、まちなみにマッチした新たな建物を造っていくことが大事です。
寺田康祐/営業本部
70年の長きに渡って京都の町中で何棟も建ててきた実績がある、京都の建築を熟知する会社です。それが、「京都でマンションを建てるなら“かねわ”」と、言っていただける所以です。また、弊社にエントリーして来る学生さんは、みんな京都が好きです。京都が好きでそのまま京都に就職する若者が京都の建築を担っていきます。
仕事で新しいものを建てているせいか、プライベートでは神社仏閣など歴史的建造物を見にいくようになりました。京都という町は、歴史的建造物と現代的な建造物が融合した素晴らしい町だと思っています。もっともっと若い世代が住みたいと思えるよう、シルエットや外観的にも魅力にあふれた建物が増えると良いですね。
さまざまな要因があるのでしょうが、いま京都市の人口が著しく減っています。ご存知でしょうが、日本一の人口減少数なのです。地場NO.1ゼネコンとして、若者に手が届くようなマンションをなんとかして考えていけないかと思っています。京都の魅力ある住まいづくりに寄与していきたいです。
長谷川大智/工事部
京都はまちなみの保全・再生にとくに厳しい町です。建物を建てる上での制約が非常に多くあります。その中で、少しでもゴミを削減するために材料を効率良く使う、道具を大切に扱う、修理できるものは修理するなどして、日々考えながら仕事に取り組み、不要なゴミを出さない努力をしています。
京都の街を歩くと、町家が軒を連ねるような路地がたくさんあります。学生時代から町家のリノベーションに興味がありましたから、ついつい町家の中を覗いてしまいます。カフェや飲食店、宿泊施設などに生まれ変わった町家がたくさんあります。町家のリノベーションがまちなみの保全に繋がっているんだなあと思います。
京都には修学旅行生や外国人観光客の方がたくさん訪れます。その方々は歴史的建造物の多い町の空気を楽しみにしておられることでしょう。これからもこの古き良き京都のまちなみを維持するために、ゴミの削減、CO2の削減など、みんなが環境意識を持ち身近なことからはじめることが大切ではないでしょうか。
安井 咲/購買部
毎日の仕事は、ほとんど社内での事務作業です。ですから、仕事上で“京都のことを考えているか”と、問われて正直考えていないことに気づかされました。これからは、もっと知識(物件の地理的なことや施工現場の情報)を身に付けて、仕事上で京都を考えよう、京都を身近に感じようと思いました。
最近になって、京都に住みはじめました。やっと京都人になれそうで、嬉しいです。会社まで徒歩圏なので、毎日さまざまな通りを歩いて通勤しています。歩くことで通りの名前を覚えましたし、いろんな発見があります。京都ってパン屋さんが多いんですよね。(笑)良く目に付くのは、町家をリノベーションした京都らしいお店ですね。
京都のいちばんの魅力は歴史があることだと思います。古い建造物や祭事、町家などはいつまでも残してほしいです。伝統やまちなみ、年中行事など外国の方々を引き付けて止まない、魅力のある京都をこれからも守り続けたいです。少しずつ日常が戻りつつありますが、もっともっと京都が本領を発揮する姿を見たいです。
原 悠人/工事部
勤務して15年、たくさんの仕事をまかせていただくようになりました。人気の高いエリアである京都で建築に携わることができたおかげで、自身の成長を実感させてもらっています。なかでも、じぶんが管理していた建物が京都の景観に溶け込んでいる姿を見ると、仕事の満足感や達成感を強く感じます。
京都で建築を仕事にしている関係から、同じ京都にある他の物件を意識してみるようなり、京都の建築を勉強する機会が増えました。ときにはお祭りや有名な社寺を見物したり、子どもと一緒に水族館のような施設にも足を運びます。そういう経験を通して、じぶんの中に“京都”が蓄積されているのでしょうね。
京都ならではの建物、こだわりの多い建物がたくさんあります。これらの建物はもちろん、京都に残したいものに金閣寺や銀閣寺のようなお寺、そして桜の名所と祭りがあります。歴史や受け継がれてきた景色・風習は、京都にとっても住むひとにとっても、訪れるひとにとっても大切だと思います。
林 栄司/総務部
京都あっての“かねわ工務店”であり、京都になくてはならない“かねわ工務店”でありたいと思っています。そして、それを追求することで強みになると考えています。かねわグループの連携で、京都での暮らしをトータルプロデュースできるよう、個々の社員が知識を増やし、経験を積み、センスを磨いて、業務の幅を広げていきたいです。
大学時代、そして仕事に就いてからと、京都に出たり入ったりを繰り返しながら、20年以上を京都で生活することになりました。離れるたびに京都を想う気持ちは強くなっていき、他の町にはない良さを思い知るのが京都です。いまでは、子どもたちも京都に住まいを構えています。京都との縁は深まるばかりです。
京都はたしかに世界的に人気のある観光地ではありますが、単に観光地化してはダメです。文化・産業・観光・教育をバランス良く両立させて、より良い京都へと進化してほしいです。そのためには、そこに暮らすひとが快適に生活できること、いろんな世代の方が楽しく交わり暮らせることが重要だと思います。